昨今の経済情勢の変化により、就職を取り巻く状況も
大きく動いていますね。
ご存知のように、
今、就職戦線に急激な異変が起きているわけですが、
結論を言ってしまえば、景気悪化により、
企業の「採用意欲」の著しい低下、ということですよね。
リクルートなどが主催する合同企業説明会において
出展をキャンセルする企業が続出しているようですし、
先日、福岡で行われた大規模な説明会においても
空きブースが結構あったとのメールを
就職活動中の読者からもらいました。
そういった状況を裏付けるように、新聞によれば
今年3月卒業予定の大学生、高校生の就職内定率は
悪化の一途で、ほぼ5人に1人が就職未定の状況だと
いいます。
そして、企業の採用意欲云々を言う前に、極端な例に
なりますが東証一部上場のマンション分譲大手「日本綜
合地所」の経営破綻。当然と言えば当然ですが、53人もの
学生の内定取り消しはショッキングなニュースだったですね。
新卒だけではなくていわゆる非正規労働者の雇用調整も
激しくて、昨年10月から今年3月までの実施予定を含め12万
あまりに達する模様ですし、高校、大学などの卒業予定者の
内定取り消し人数は1000人を超えているという報告もあり、
本当に深刻です。
倒産までいかなくても、今後新年度スタート前に
企業の都合で内定取り消しといった事態に直面する
新卒者がさらに増えるのではないかとほんと心配です。
現実に福岡でも、高卒予定者186人の内定が取り消されたとか、
また、大学4年の男性が、内定を取り消した福岡市内の
不動産会社を相手取り、損害賠償を求める労働審判を
福岡地裁に申し立てるといったニュースを目にします。
この大学生は弁護士に対し「誠意のない会社の対応に
強い憤りを感じて、自分だけではなく、取り消された
学生が泣き寝入りするしかない状況に一石を投じたい」
と話しているとのことですが、会社側の採用担当者個人の
資質を抜きにすると、賛否があるところだと思います。
ちなみに1月の産経新聞のアンケートでは、
1.「悪質な内定取り消しをした企業名の公表に賛成か」
YES→87% NO→13%
2.「内定を取り消された学生が補償を求めるのは正当か」
YES→62% NO→38%
3.「倒産回避のためには内定取り消しはやむを得ないか」
YES→73% NO→24%
以上のような結果が載っていました。
さらに個別回答では、
「業績悪化を正していく方法として内定取り消しを
第一に考えるべきではない」
「最近の経済状況を鑑みればすべて企業のせいにするのは
酷であり、もっと行政が支援するべきだ。」
「一番の問題は、内定を取り消した相手に対して
企業が“誠意”を示すかどうかだ」
などとありました。
このような意見が掲載されること自体が、
「就職内定のための努力」を超えてその先の「内定取り
消し」に遭遇したらどうするか、まで考えておかなくては
ならないことを示しているようで憂鬱になる人も多いでしょう。
でもそんな中、運送事業の福山通運(広島県福山市)が
平成21年4月入社の新卒採用50人を追加募集すると発表して
います。
この募集の対象者は、
内定取り消しを受けた学生や就職先が決まっていない
今春3月卒業予定の大学、短大、専門学校生。職種は
事務総合職と集配運転手。勤務地は関東・中部・近畿地区。
(選考は東京と福山にて。)
雇用環境が厳しいからこそ、優秀な人材確保を
目指すという姿勢は安易に内定取り消しなどを行う企業に
見習ってもらいたいですね。
一方、企業に内定を取り消された学生らを対象に
職員の追加募集を計画した大阪府池田市が、
総務省から「内定取り消しに限定するのは、平等が原則の
地方公務員法の趣旨に反する」と指摘されて募集を断念した
という記事を見かけました。
うーむ、総務省が頭が固いともいえますが、
いたしかたないですね。
せっかくのいいアイデアでも実際に行うのは難しい。。。
大学側にも動きがあって、神奈川大学(横浜市)では
就職内定を取り消されるた学生に対して、正規の授業料の
1割程度の費用で、就学延長を一時認める臨時の救済措置
を取るそうです。
同大によると、対象は平成22年3月までに卒業予定で、
卒業に必要な単位を持ちながら内定を取り消されたり、
企業側の内定辞退の募集に応じたりした学生。
とここまではいい話なんだけど、それにかかる費用は
1年の延長が10万円で、半年の延長が5万円だという。
なんでお金をとるのか・・・
ひどい話のように思えるが、これもまた、
先の総務省の「見解」のように、ある程度納得できる
理由があるのだろう。でも、本人の落ち度でない場合は
大学側には学生に負担がかからないような形での
救済処置をきちんととってもらいたいものだ。
昨年後半から急激な雇用情勢の悪化はたしかに厳しい。
でも、就職を目指す学生のみんなにはこういう逆風の
ときにこそ、それを乗り越える気持ちで頑張ることを
考えてもらいたい。
ピンチはチャンス!
よく使われる言葉だが、ほんとうにそうだと思う。
就職に限らず、就職してからの仕事だってなんだって
うまくいかないときこそ本当の自分の力が試される。
これから先、試練の道が続くかもしれませんが、
それにめげることなく自分の道を切り開いていく!
そういう気持ちが一番大事だと思います。
僕もこういうときだからこそ、より一層
このブログやメルマガを通してできる限りみなさんの
応援をしていくつもりです。頑張ってください!
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