【本日の産経新聞より】

不況で雇用情勢が悪化する中、就職が決まらない大学や短大の卒業生が専門学校に入学するケースが増えている。大手の中には、そのような入学者が3年前の1・5倍に増えた専門学校も出てきた。卒業後、自力で就職活動を続けたり、「就職浪人」で大学に残るより、専門学校できめ細やかな指導を受け、就職に直結させようという人が多いためとみられる。(長島雅子)

 ≪3年前の1・5倍≫

 少子化に伴う「大学全入時代」のあおりを受け、専門学校(専門課程)の入学者数は平成16年度以降、減少している。

 文部科学省の調査によると、16年度の33万5102人が21年度は24万7823人と約9万人も減った。大学や短大を卒業後、専門学校に入学する学生数も17年度の2万4351人から減少していたが、21年度は前年度比1146人増の2万265人と、5年ぶりに増加に転じた。

 専門学校の入学者のうち大学・短大の卒業者が占める割合も7%台で推移していたが、21年度は8%を超えた。

 文科省は「大学生の就職状況が厳しい中、職業能力を身につけるために専門学校に入学しようという学生が増えているのではないか」と説明する。

 実際、主要な専門学校に大学・短大の卒業者が入学するケースが増えている。

 専門学校大手「大原学園」(東京都千代田区)では、首都圏19校の21年度の入学者のうち、大学、短大卒(中退を含む)の入学者数が3年前に比べ約1・5倍の1237人となった。

 簿記など「資格取得」に力を入れていた同学園だが、約10年前から企業のニーズに合わせた人材育成も強化し、就職率を向上させている。同学園本部就職部の堤敦部長は「学生40人の担任制で、きめ細やかな教育が強み」と話す。

 ≪景気回復待つ≫

 就職が決まらなかった私大4年の女子大生(22)も卒業後、大原学園への入学を決めた。指導を受けて再度、就活に備える。「就職浪人で大学に残るより、専門学校で学び、自信を付けたい」という。

 日本電子専門学校(東京都新宿区)でも21年度の入学者のうち大卒者が前年度比で約1割増えた。22年度の出願者(昨年12月24日現在)も、大学・短大の既卒者(中退を含む)が2年前の同期に比べて38%増。中でも新卒は倍増した。寺脇保・理事兼広報部長は「厳しい今年の就活を避け、景気回復を待とうという学生も多い」とみている。

 専門学校を選ぶ背景について、就職情報会社「ディスコ」(東京都文京区)の前岡巧調査担当部長は「今の学生はバブル崩壊後の就職氷河期に就職できず、フリーターになった人たちが、なかなか定職に就けない実態を知っている」と分析する。

 日本では新卒でなければ正社員になることは難しいとされる。前岡部長は「大学を卒業して『既卒』となるより、専門学校から『新卒』として就活する学生が増えても不思議はない」と話している。



◆引用リンク先 → http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100109-00000037-san-soci

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